校内研修

1 はじめに

 本校の学校課題は、@知徳体のバランスのとれた育成 A基礎・基本の徹底 B基本的な生活習慣の確立である。自らを見つめさせ、「情意面」と「認知面」の溝を埋め、「自信をもって生活できる生徒の育成」をめざしたい。

2 本校の概要

学区は市内北東部に位置し、日高市、川越市に隣接している。狭山ニュータウンを含む住宅地域、農業地域で一部工業地域も有する。地域には智光山公園等もある。保護者は子どもへの教育関心が高く、PTA活動も協力的である。
 生徒数は310名、学級数3・3・3の9クラスで、減少傾向にある。

3 教育理念

「体験のないところに感動はない。感動のないところに喜びはない。喜びのないところに生きる意欲は湧かない」を理念とし、以下に示す方法で学校課題に取り組んでいる。

  感動体験として、価値体験(教材に脈絡する価値を味わわせる)、所属体験(学年・学級での存在意味を知る)、成就体験(希望や目標を成し遂げる)を授業や諸活動を通して味わわせる。

4 課題解決に向けた主な取り組み
(1)  各教科の到達目標の明確化と生徒への指導
(2)  授業改善(学習指導の工夫改善)
(3)  選択教科における補充・発展的な学習
(4)  「総合的な学習の時間」の内容検討
(5) 道徳教育の推進…資料検討会、一斉公開授業、朱書きのできる年間指導計画
(6) 
体力の向上…体育や部活動でのサーキットトレーニング、昼休みの有効活用
(7) 
小・中の連携指導(一貫性・系統性を重視した小学校と中学校間における望ましい連携)

5 「年間指導計画・評価計画」の改善             

 教科においては、「補充・発展等」の欄などを設けた計画に改善し、例えば「基礎的な語の意味や用法を確認するためのワークシートの用意」などの対処内容を記入しておくことにより、到達できない生徒への配慮等を考慮した。
 道徳の年間指導計画にも「朱書き」の欄を設け、授業改善に役立てている。


6 選択数学−基礎コースを例に

 数学教師1名と地域の学習支援ボランティア2名で授業を行っている。教師のアドバイスを受け、生徒個々が自分の習熟の程度に合わせて、コンピュータソフトから問題を引き出し取り組んでいる。分からないところは教師や学習支援ボランティアから個別指導を受けてつまずきの解消に努めている。また、解き方への興味や驚きも見受けられる。担当教師からは、繰り返し学習はもちろん、複数で対応できるのでゆとりをもって個々の生徒に対応できると評判がよい。

            

7 総合的な学習の時間を例に

文章表現力の育成  ・弁論課題の整理 ・文章作成 ・推敲

弁論発表力の育成  ・発表練習 ・表現の工夫・発表の工夫(現役アナウンサーによる講演会)
              ・学級弁論発表 ・学年弁論発表 ・文集作成

1)自ら疑問に思うこと、感動すること、人間としての生き方について課題を探す。
2)課題の整理 ・材料選びのためのメモを作成する。
3)文章構成のための構想メモを作成する。
4)構想メモをもとに弁論原稿(意見文)を作成する。
5)文章を推敲し、弁論原稿を作成する。
6)弁論発表の練習をする。※原稿を読むだけでなく、暗記とか訴えかけるような話し方を工夫させる。
7)学級弁論大会・学年弁論大会で評価をする。
8)全校弁論大会
  ※18年度は、TBSの吉川アナウンサーにおいでいただき、「美しい日本語で言葉のセンスを磨こう」と題してご講演をいただ    いた。

【教師の感想】
  @    漢字を多めに使用して文章作成している。
  A    主述が明確で、文法的なまちがいも少なくなった。
  B    自分の見方・考え方を幅広く述べている。
  C    意欲的に評価を求めるようになった。

8 指導方法の工夫・改善

標準学力調査の結果等を活用し、領域別・観点別に重点指導と改善計画をたてている。それをもとに、教師全員が「授業の見所表」を作成し、自分の授業を公開し、改善に努めている。 
 例えば1年の数学では、次のような重点指導に取り組んだ
     領域別

項目

学習状況、テスト結果より

今後の重点指導

数と計算

計算能力については、全国平均を上回っているが、記数法・公倍数の理解については下回っている。

単に計算力を鍛えるだけにとどまらず、小数・分数の意味や公倍数についての知識についてもしっかりと教えていく。

量と測定

面積や体積の求め方について考える問題や、単位量・比に関する問題の正答率が高い。

図形の計量について考える力が身に付いているという結果なので、これからも力を伸ばしていく。

図形

平面図に関する知識や空間図形の構成を認知する力に優れている。

図形についての基本的な知識や、立体構成に関する知識は得られているので、これを基にさらに力を伸ばしていきたい。

数量関係

変化とその規則性をとらえる問題や、比例に対する理解が良くできている。

数学的な考え方を必要とする問題で正答率が高いので、これからの力を伸ばしていきたい。

観点別

項目

学習状況、テスト結果より

今後の重点指導

関心・意欲・態度

記述式の問題に関して、正答率が高いことやふだんの様子をみても全体的に意欲的であるといえる。

数学に関する興味がわくような教材や授業の導入について工夫を凝らす。

数学的な考え方

比に関する問題、速さに関する問題、図形に関する問題のいずれに対しても、高い正答率である。

基本的な力は身に付いていると考えられるので、応用問題についても力を入れてゆく。

数学的表現処理

計算については、おおむね全国平均を上回っている。

数学の時間以外の基礎学習の時間なども利用して、計算力を伸ばしていく。

知識理解

点数的にほぼ全国平均並みであるが、整数や小数・分数の意味についての理解が不足している。

単なる技能の習熟だけでなく、位取りの意味や倍数・約数の意味についてもきちんと説明してゆく。

 具体的な授業実践例

授業の見所表

日時

月  日( )  校時

教科

 

年  組(   )

授業者

 

単元名(教材名)

 

指導者

 

本時のねらい

評価の観点

「指導方法等の改善計画」とのかかわりで工夫している場面

時 間

学習内容
授業の流れ

教師の活動 
発問・説明・支援・板書等

生徒の活動
理解・思考・発表・作業等

主な指導方法等の工夫・改善点

授業の中で生徒を生かす場面として工夫しているところ

個を生かす場面

支援を要する生徒への配慮

本時の授業を振り返って

授業者の反省

 指導者の講評

 

 

 

評 価

     ねらいに即したわかりやすい授業であったか (とても・まあまあ・少しだけ)
    指導方法の工夫・改善点が生かされていたか (とても・まあまあ・少しだけ)
    生徒を生かす場面は効果的に機能していたか (とても・まあまあ・少しだけ)
    評価が本時や次時の指導に生かされていたか (とても・まあまあ・少しだけ)


−自己理解、他者理解のための授業の工夫(道徳)−
  
−コラボレーションを取り入れた授業の工夫(理科)−
 生徒に「表現力」を身に付けさせるため、理科では発表会形式を取り入れるなど授業改善に取り組んでいる。授業の中で複数の人とのやりとりを通して、他者に説明し、思考を明確化させ、コミュニケーションの過程を通して探究を深めている。
 1年理科の授業である。各班が「大気圧」を調べる実験を行い説明している。各発表の内容は、@「空気の重さ調べ」 A「コップの下の厚紙が落ちないのは?」  B「新聞紙で割り箸を折ってみよう」 C「マグデブルグ半球で大気圧の大きさを実感しよう」 D「大気圧で缶をつぶしてみよう」 E「大気圧のはたらき方をしらべよう」である。

10 おわりに

 今回は「確かな学力」の育成を中心に、生徒に自信をもたせる取り組みの一端を紹介させていただいた。生徒の明るい笑顔と嬉々として学習する姿は成果の一つと考えられる。課題は、教師個々が、生徒一人一人を生き返らせているか、意味づけをもって迎え入れているかということである。主観的な教師の想いで生徒を生かすことができなければ、客観的にはならない。つまり客観的な評価とは生きた意味合いを味わわせることが基盤でなければならないと考えている。