先月14日の夜以降、震度7や6強を観測する強い地震が相次いだ
熊本県などでは、3週間が過ぎた今も、活発な地震活動が続いています。
被災された皆様、関係者の皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
たくさんの報道の中から、子ども達の活躍の様子も伝わってきます。
小学生が、避難所でお年寄りの身体をいたわったり、話相手になって励
ましの言葉をかけたり…。中高校生が、自転車で、水やミルク・おむつ
を一軒一軒届けに回ったり…。
新学期が始まり、中央中の皆さんと同様、熊本の子ども達も、授業や
行事、部活動、卒業後の進路に向けて、意欲を持ってスタートしていた
はずです。大きな損壊で再開できない学校もたくさんあるようです。心
が痛みます。
でも、被災地の子ども達、皆、前向きに頑張っています。私たちも自
分にできることをしっかりと考え、毎日を精一杯生きていきましょう。
4月26日の「生徒会便り」でもお知らせしましたが、本校生徒会が
熊本地震の被災者を支援しようと、募金活動を行いました。
4日間で6万1千円が集まり、この義援金は日本赤十字社を通じて現地
に届けられます。
みなさんの温かな思いも、しっかりと熊本に届き、義援金も有効に活
用されるはずです。
尚、この本校生徒会の取り組みが、4月27日 毎日新聞(朝刊)、
5月1日 埼玉新聞 に、写真入りで掲載されました。
5月10日(火) 全校朝会 校長講話
今日は、みなさんに、新聞に掲載された「あるお母さんからの手紙」
を紹介します。中学生の子どもを持つ、お母さんからの投書です。
「行ってきます!」 「行ってらっしゃい!」
今日も元気に息子は中学校へ向かいました。
息子が元気に登校していく後ろ姿に、喜びを感じるのですが、すぐに昔のことが
思い出されてしまうのです。
私は、中2の時に、父を交通事故で亡くしました。父は、車で通勤していたので
すが、朝仕事場へ向かう途中、赤信号なのに交差点に入ってしまい、横から来た大
型トラックとぶつかってしまったのです。
事故の前日、私は生まれて初めてという位、両親と激しい口喧嘩をしました。
くやしくて、くやしくて、自分の部屋で、夜遅くまで泣き通しました。
次の日も登校時間ぎりぎりまで自分の部屋にいて、朝ご飯も食べずに出て行こう
としました。すると父が玄関にきて「ご飯は食べないのか?」と言いました。
私は無視して靴を履きました。そしてバタンとドアを閉め、いきよいよく外に飛び
出しました。ドアを閉める瞬間、父の「行ってらっしゃい」という声が後ろから聞
こえました。
父の葬儀から、ひと月ほど過ぎた頃、母が私にポツリと言いました。「お父さん
はね、細かい仕事がずっと続いていて、疲れていたんだよ。」涙の中に父の笑顔が
浮かびました。
母となった今でも、私の後悔は続いています。父は、仕事で疲れていたのではな
く、車の中で、私のことを心配していたのではないかと。「行ってきます」も言わ
ずに出て行った 私のことが、気になって気になって、気になってしょうがなかった
のではないかと。
なぜあのとき、玄関で「行ってきます」と言わなかったんだろう。ひと言、
「行ってきます」と言えていたら、父は事故を起こさずに済んだのではないか。
「行ってきます」をきちんと言える人間、挨拶をしっかりとできる人間でいて欲
しい。これが母となった私の、我が子に対する、一番の思いです。
4月の生活目標の一つに「挨拶をしっかりしよう」がありました。
引き続き、挨拶を大切にしていきましょう。
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