校訓 「高く 正しく 強く」

第3号 平成26年6月1日発行   校長 関田重雄

 ―「美しい言葉遣い」について−

 新しい学習指導要領が中学校で完全実施されて3年目に入りました。今回の改訂のテーマは「ことばと体験」
ということであります。各学校では各教科の授業や学校行事等において様々な施策を講じて実施しております。
この事を踏まえて、今回は先日、学校朝会で生徒に話した内容についてお話しします。

  同じ字を あめ さめ だれ と ぐれ て読み
 
という川柳があります。「あめ」、「さめ」、「だれ」 を漢字に当てはめると例えば…

 雨(あめ) 春雨(はるさめ)五月雨(さみだれ)時雨(しぐれ)

となります。歳時記という季節の言葉を集めた本があります。雨の表現もたくさんあり、それぞれ季節感があり
ます。生徒の皆さんは、言葉を大切にする感性をもって欲しいと思います。

 「春雨や 暮れなむとして 今日もあり」  蕪村
 「五月雨を あつめて早し 最上川」    芭蕉
 「行く秋を しぐれかけたり 法隆寺」   子規

日本には言霊(ことだま)思想というのがあります。「悪い言葉を使うと自分に悪い行いが返って来てしまう」
という考え方です。友達のことを悪い言葉で呼べば、自分にそのまま言葉の中身が返って来て、自分自身がそう
なってしまうということです。きれいな言葉を使うことの大切さ、他を大切にする考え方が色濃く反映している
と考えます。
 生徒のみなさんも、言葉を大切にし、美しい言葉遣いを心がけてください。そのためには、語彙(ごい)を増
やしていってください。また、他人を思いやる言葉遣いに意を用いてください。すべての生徒がそうなることを
願っています。

 さて、概ねこういういう内容で朝会で話をしましたが、生徒たちにはいつも感心しますが、誰一人として私語
をする生徒はいません。しっかりと顔をあげて私を見て話を聞いています。本当に良い生徒だと思います。今後
は、頭で分かったことを、いかに実際にできるようにさせるかだと思っています。そのためには、体験が必要に
なります。言葉を学び、体験を通して身に付けていく。「ことばと体験」とは表裏一体であり、片方だけでは決
して身に付くものではありません。ご家庭でも、お考えいただけると幸いです。

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