校訓 「高く 正しく 強く」

第10号 平成27年1月8日発行   校長 関田重雄

「習慣は第二の天性」
 新年明けましておめでとうございます。未(み)の年となりました。未は、十二支(子・丑・寅・卯 ・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥)の8番目です。また、未年は西暦年を12で割って11が余る年でも あります。未(羊)は、大変おとなしい動物であり優しいイメージがあります。羊のイメージのように 平成27年が、優しさに満ちあふれた1年であることを願っております。 さて、家庭内において子供が中学生になると急に大人扱いし、「もう大人なんだから。」と言って、子 供に対して、全てにおいて大人扱いをすることが多くなってきます。しかし、それは大変危険な行為で もあります。子供を全てにおいて大人扱いすれば、確かに私たちの気分は変わるし、人との付き合い方 にも変化が出てきます。しかし、こうした形での家庭内の変化は、家庭内での親子関係のバランスを崩 していくことにつながらないでしょうか。  一般的な子供の成長論に振り回されると、子供の成長のためという意味の覆いでもって子供をすっぽ りと包みこんでしまい、自分は特別に先端の教育を行っているんだという妄想にとらわれ、しだいに人 の意見に耳を傾けることがなくなっていきます。 つまり、子供に対して、全てにおいて大人扱いをすることは、子供の習慣を変えることはできても、子 どもを正しく導くことにはならないのです。その結果、家庭内に混乱が生じることになった事例も数多 く報告されています。(例えば、「あなたはもう大人なのだから、携帯電話については任せます…」な どなど。) 論語に「性相近きなり、習い相遠きなり」という言葉があります。「性相近きなり」というのは人間の 生まれつきの個人差は少ないものである。だれでも似たりよったりだという意味です。「習い相遠きな り」とは人間が、成長していく間に身につけていく習慣によっていろいろな差ができていくものであり ついには大きな隔たりができてしまうものであるという意味です。 このように、子供たち一人一人の成長のために、よりよい生活習慣を身につけさせるようにすることは きわめて大切なことです。自分で起きる、あいさつや返事ができる、脱いだ履物を揃える、勉強の習慣 をつけるなど、基本的な「習い」を義務教育が終わるまでに、きちんと身につけさせたいものです。 だから、子供を全てにおいて大人扱いするのではなく、よりよく躾(しつけ)ることが大切なのです。 よい生活習慣を身につけさせるためには、第一義的には家庭に負うところが大きいと思いますが、学校 ・地域が連携し子供たちに目をかけ、躾ていくことが肝要かと思います。中学生の時期においては様々 なことを学び、また大人の務めとして、子どもたちによりよい習慣を身に付けさせるために、厳しさも 必要であろうと思います。はじめから立派な子供などいないのですから。  今年度もよろしくお願いいたします。